今回は県外からわざわざお越しくださった男性オーナー様のBMW 3シリーズ(E30型)320iセダンを修理させていただきました。
「古いけれど大切な愛車を長く乗り続けたい」というオーナー様の想いを受け止め、全力で作業に取り組んだので、その工程をご紹介いたします。
- ご依頼内容・作業箇所
- フロントバンパー:擦り傷(左右)
- クォーターパネル(左右):ヘコミや塗膜の劣化
- リヤバンパー:スチール部分の錆による穴あき
オーナー様は「このクルマには思い出が詰まっているので、できる限りキレイに乗り続けたい」とお話しくださいました。
そのお気持ちに応えられるよう、一つひとつの作業を丁寧に進めていきます。
リヤバンパーの錆でできた穴
- 下地処理|仕上がりを左右する重要な土台
板金塗装の仕上がりや耐久性は、下地処理で大きく変わります。私はこの工程をもっとも大切に考え、手を抜かずに行います。
フロントバンパー:傷の修正とパテ整形
- 擦り傷が左右にあるうえに分割式バンパーのため、それぞれに対応が必要
- まず傷を削って平滑にしてからパテを塗布
- パテの硬化後はサンドペーパーで段差をなくし、プラサフ(プライマーサフェーサー)を塗装→再度研磨で下地を仕上げ
クォーターパネル:板金から下地調整まで
- 塗膜を剥がして地金を出し、専用溶接機で元の位置まで引き出し
- その後、防錆処理→パテ→プラサフ塗装→研磨の流れで下地を完成
- 古い車ならではの小さなゆがみを見逃さないように、実際の形状を確かめながら進める
リヤバンパー:錆の除去と新たな鉄板の溶接
- 錆が進行して穴が空いてしまっていたため、まず錆を完全に除去
- 新しい鉄板を溶接してしっかり強度を回復
- 防錆処理→パテ処理→プラサフ塗装→研磨で下地を完成
時間と手間をかけた下地処理を行うことで、今後の耐久性も上がり、愛車を長く美しい状態で保つことができます。
- 調色|オリジナルカラーをできるだけ再現
次は調色です。オリジナルカラーのデータが残っていても、経年や保管状況で多少の色あせや変色が起こります。
- 測色機を使い、元の配合データをベースに色を作成
- そこから実際にサンプルを塗って現車と見比べ、微妙な差を調整
- オーナー様のクルマはメンテナンス管理が良かったとはいえ、やはり年式なりの色あせはある
「せっかく下地をしっかり作っても、色が合っていなければ台無し」。慎重に色合わせを行い、できるだけ違和感のない仕上がりを目指します。
- 塗装|チッピング塗装からクリア、つや消し黒まで
調色が終わったら、いよいよ塗装工程に入ります。
- チッピング塗装
- ボツボツした独特の質感を再現するための特殊塗装
- オリジナルの状態をできる限り取り戻すため、塗り方や乾燥のタイミングに注意
- ベースカラーの塗装
- チッピング塗装がある程度乾燥してから、作成したベースカラーを複数回に分けて吹き付け
- 厚塗りにならないよう、均一に仕上げていく
- クリア塗装
- ツヤと耐候性を上げるため、しっかりとクリアを吹き付け
- 塗膜を保護する大切な工程なので、時間をかけて硬化させる
- つや消し黒の塗装
- 最後に必要な部分のみ、つや消し黒を塗装
- ムラなく仕上げるため、スプレーガンの距離やスピードに気を配りながら吹き付ける
こうして、一連の塗装作業が完了します。下地処理を含めた地道な工程が、最終的に美しい仕上がりへとつながります。
- 仕上がりとオーナー様の反応
- 色合いはオリジナルに近い自然な雰囲気に仕上がり、ボディ全体ともしっかり馴染みました
- チッピング塗装とクリア塗装による質感も良く、当時の雰囲気を感じさせます
- 受け取りに来られたオーナー様からは「ここまで蘇るとは思っていなかった」と大変喜んでいただき、私も嬉しい気持ちでいっぱいです
- ガレージ・サクライのこだわりと感謝の気持ち
私は、古い車を大切に乗り続けたいというオーナー様の気持ちに応えたいと考えています。
下地処理から塗装までの一つひとつの工程を丁寧に行い、オリジナルの質感や色味をできる限り再現する。
そこにこそ愛車と末長く向き合うための大事なポイントがあると思っています。
今回の作業を通じて、オーナー様の愛車への想いを強く感じることができ、私自身も作業に熱が入りました。
「プロとしてのこだわり」と「人間としての温かさ」の両方を大切にする――そんな気持ちで、これからも一台一台のクルマと真摯に向き合っていきます。
もし、愛車の板金塗装やレストア、古い車の維持に関してお困りのことがありましたら、ガレージ・サクライまでぜひご相談ください。
長年にわたって培ってきたノウハウを活かし、責任を持って対応いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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